面接の質問を工夫する
「これまでに問題行動を起こしたことはありますか?」

 このように直球で聞いて、「はい、あります!」と回答する人は、そういないと思います。仮にいたとしても、そこで即不採用とするのではなく、どういった問題行動なのか、ぜひ深掘りしてください。たとえば「顧客から執拗なクレームが続き、その中で私の人権に関わる誹謗中傷を受けたので、さすがに言い返したら、社内で問題視された」といったように、やむを得ない事情だったかもしれません。

 直球だと真実を引き出せないのであれば、聞き方を変えましょう。たとえば、
「良かれとした行動で、周りに迷惑をかけた経験はありますか?」(A)
「あなたのミスにより、周りにどのような影響を及ぼしましたか?」(B)
 といった感じです。

 直球質問よりも聞き方は丁寧で柔らかいので回答しやすいですが、聞きたい本質の部分は同じです。ここは「周りにどれだけ迷惑、悪影響を及ぼしたか」により、問題行動ぶりがあぶり出されていくということになります。

「A」で「後輩のためを思って厳しく指導したのに、パワハラ扱いされた」との回答があったら、ここも深掘りしていきます。「休みの日にも気づいたことはこまめに後輩に連絡して指導していた」なら、やはり問題行動でしょう。

「B」で「軽微なミスなのに、私を好ましく思っていない取引先が事を大きくして、上司と共に責任を取らされ、再発防止策作成について職場全体を巻き込む羽目になった」と回答があったとしましょう。

 深掘りすると、大口顧客を失いかねない大きなミスだったのに、「軽微なのに」、「私は取引先に良く思われていない」といった極小化や他責傾向が見えてきたら、これもやはり問題行動と言えます。

 こうした深掘りによって、因果関係や悪影響の度合いなどを総合的に勘案して、不採用要因とするかを見極めましょう。