採用面接で応募者に嫌われず「仕事の能力・積極性・協調性」を見抜く方法写真はイメージです Photo:PIXTA

人材不足が叫ばれる中、特に中小企業の採用担当者は面接では「進路相談と商談を足して2で割った感じで面接」「具体的な質問を記した面接シートの準備」を意識する必要がある。労務相談経験1万件超の社会保険労務士が提案する「採用の悩み」解決法とは。

※本稿は、福留文治/児玉里美『採用がうまくいく会社がやっていること』(かんき出版)の一部を抜粋・編集したものです。

応募者ウケする
面接官の態度とは?

 会社の求人活動は、「応募者に選んでもらう意識を持つことが大事」という言葉をよく耳にするはずです。それを踏まえて、我々は、社長や面接を行う方へ、次のようなアドバイスをしています。

「応募者に対して、『進路相談と商談を足して2で割った感じ』で面接を行ってください」

 面接では、無意識に、入社した場合の会社と従業員の「上下」関係を、今の応募時点では赤の他人である「応募者」に持ち込んでしまいがちです。つまり、会社が応募者を選ぶ感じになりがちです。

 もちろん「選ぶ」ことには違いないのですが、面接は丁寧に行いたいものです。「進路相談」と「商談」の2つを行うような気持ちで面接を行うと、応募者に上からの立場で接することがなくなります。

 会社が面接を行うとき、「自社に入ってもらう人を品定めする」のではなく、応募者の「進路」を親になったつもりで、親身になって一緒に考えるのです

 親の立場で子どもの進路を考えたとき、会社や業界の少し厳しい部分を本音で伝えることもあるでしょう。でもそれは子どもの将来を思った上でのはずです。真剣に考えたときは、よいことも悪いことも、一緒に考えるはずです。

 応募者の進路を一緒に真剣に考える気持ち、そのアドバイスに、応募者は感銘を受けます。その進路アドバイスの延長線上に、応募者の選択肢の一つとして自社があれば……という感じです。

 そして、応募者への進路相談に加えて、応募者を商談相手と考えると、なおよいでしょう。数ある会社から「入社したい会社の候補」に挙がった「自社」を選んでもらう努力をする、というイメージです

 自社を選んでもらうために、直接会う面接は、最も力を入れなければならない商談と言えるでしょう。