老害にならないためのコツ
「もしかしたら自分にも原因があるかも」で大きく前進

 コンビニのレジに限らず、お客さんがお店のスタッフともめているシーンを目にすることがあります。みなさんご自身、もしくは身近な人に心当たりはないでしょうか。

 高齢者の場合、このTさんのように加齢にともなう身体変化が関連してくるケースもあるので、自分にはいっさい非がないのか、本当の原因はどこにあるのか、ということを今一度考えてみることをおすすめします。

 店員さんの態度や口ぶりには納得がいかないけれど、自分がそう感じる理由、向こうにそうさせてしまう理由は、自分にもあるかもしれない――。
 
 こう思うことができたらしめたものです。「社会の壁」を壊す第一歩になるでしょう。

 加齢による触覚や聴覚の変化は、自分では気づきづらいものであり、個人差もあります。でも、老いは誰にでも訪れるもの。それを自覚することができれば、無意味な衝突を避けることができるようになるはずです。
 
 老害レベルも着実に下げられます。Tさんの場合、店員さんにそこまで強く当たらずに、コンビニを立ち去ることができたかもしれません。

 加えて、自らの正義感に固執しすぎるのもよくないです。明らかにお店側や店員さん側に非がある場合、それを指摘したり、正したりするのは構いません。しかし、ものには程度というものがありますよね。

 正義感の強い人は、やや粘着質といいますか、自分が正しいと思っていることをくり返し、徹底的に主張する面があります。そしてそれが、周りに迷惑をかけている可能性があることを忘れてはいけません。

 Tさんは、自分の正義を貫こうと一生懸命になっていたのでしょうが、その結果、会計待ちの列に並んでいるほかのお客さんの待ち時間を延ばすという事態をまねいてしまっています。「逆の立場だったら」ということを考えると、周囲に与えた影響をありありとイメージできるのではないでしょうか。