近年、「会社の飲み会に行きたくない」若手が増えているという。
「時間外労働」「残業代が出ない」「気遣いが面倒」…など、様々な声が聞かれる。
しかし一方で、面倒な雑務の代名詞である「ビジネス上の食事会」や「幹事の業務」に、
前向きに取り組まないと置いていかれる」と考えている若手社員が増えていることもまた事実。
新刊『ビジネス会食完全攻略マニュアル』は、そういった若手社員に支持されている一冊だ。“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「食事会での実践的な振る舞い」を紹介した本書。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回はその著者yuuu氏に聞いた、「若手と飲み会に行った時に注意すべきこと」を紹介する――。

嫌われる上司が職場の飲み会の「部下との会話」で無意識にやっている残念な作法ワースト1Photo: Adobe Stock

若手社員との「話題選び」どうしていますか?

社内飲み会は結局、気を使うものだ。

中でもよくある悩みが「飲み会の最中の会話」である。特に上司と部下の関係であれば、同僚に関する悪口や会社の人事に関することについてはなんとなく話がしづらいものだ。せめて趣味嗜好が合えばよいのだが、世代間ギャップがあったり、そもそもコロナ禍で飲み会を経験していない世代だったりと、なかなか最適解を見出すのが難しくなってきている実情がある。

しかも、今日社内飲み会で好感度が上下した部下と、明日もあなたは仕事をするのだ。「職場の場外戦」とも言える飲み会で部下からの評価が下がってしまうのも悔しかろう。

特に働き方改革以降は、「部署の飲み会」の必要性を疑問視する声も上がってきている。
これまで長年、部署内の関係値を深めるために存在した「職場の飲み会」の価値が変わってきている以上、今までより一層上司サイドには「部下に嫌われない立ち振る舞い」が求められているとも言えるのだ。

今回は、「嫌われる上司が無意識にやってしまっているNG会話」を紹介しよう。

業務の指示を飲み会でしてはいけない

部下からすると非常に厄介なのが、「飲みの席での上司から業務の指示」である。

そもそも本来、酒席において意思決定を必要とする話はすべきではない。十中八九、「言った、言わない」で揉める。ただ多忙な上司の方に置かれては、部下とよく話せるタイミングだからと翌日以降の業務の指示をしたくなる気事情もあるだろう。

しかし部下からすれば、オフィスを出たあとの飲みの場はもはや業務内容を考える場所ではないのだ。業務の後にリフレッシュをして、また翌日以降の勤務に備える時間でもある。

そんなときに上司から指示があろうものなら、頭を再度仕事モードに切り替え、忘れないように翌日以降のために備えておかなければならないとプレッシャーに感じてしまう。しかも、飲み会における指示の場合、もしアルコールが入っていようものならその指示が果たして本音か、冗談かすら判断しづらくもなってしまう。

そもそも、酒席の勢いで話した内容は、往々にして忘れ去られる。たとえ業務の円滑な進行に役立ちそうだと思っても、翌日に改めて議題に上げて指示を出すほうがいいだろう。

(本記事は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)