全国をブロックに分けて選考するなど
地方の高校生を採りたい大学も

 慶應義塾大学法学部で実施されている総合型選抜入試、「FIT入試」でも、地方の高校生を採りたいという意欲がうかがえる。

 この入試は、出願時に成績不要のA方式と「4.0」以上の評定平均が求められるB方式との2種類があり併願もできるのだが、このうちB方式は、全国を7つのブロックに分けて選考している。

 B方式での募集人数は、法律学科と政治学科を合わせ80人程度なので、各ブロックから10人前後を合格させる計算になる。

 筆者の娘は、このうちのB方式を受験して合格し入学した。

 ほぼ毎年、娘が通っていた東京都心の私立の中高一貫校だけで複数人は合格しているため、必ずしも首都圏の高校生が不利で地方の高校生が有利とは言えないのだが、1都3県以外の高校生で「慶應の法学部で学びたい」という強い意思を表現できれば有利に働くことは間違いない。

 東京大学の推薦入試でも、複数の合格者を出した高校(2023年度入試)を見ると、東京の都立小石川中等教育学校や早稲田高、千葉の県立千葉高など首都圏の進学校が並んでいるが、八戸高、秋田高、金沢泉丘高といった地方の公立進学校の名前も数多く見られる。

 京都大学の特色入試も同様に、仙台二高、福井の藤島高、岡山朝日高など、関西圏以外の公立進学校が名を連ねているので、地方在住の高校生や保護者の皆さんは、条件が合うようであれば、これらの国立と私立を代表する難関大学に臆することなく挑戦してほしい。