人生を不幸に突き落とす「悪魔のカクテル」を飲みたがる人の「6つの特徴」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

多くの人が「精神的に安定した状態で快適に過ごしたい」と願っているにもかかわらず、いつの間にか強いストレスを抱え、苦痛を感じながら生活している。世界的に有名なコミュニケーションの専門家、デヴィッド・JP・フィリップス氏が、ネガティブな感情にとらわれてしまう人々の特徴と改善策について解説する。※本稿は、デヴィッド・JP・フィリップス(著者)、久山葉子(翻訳者)『最適脳:6つの脳内物質で人生を変える』(新潮新書、新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

悪魔のカクテルには
6つの種類がある

 先の記事では、ドーパミンやエンドルフィンなど6つの脳内物質を混ぜ合わせて心を健康に保つ〈天使のカクテル〉と、それとは正反対の効果をもたらす〈悪魔のカクテル〉について触れた。本稿では、精神状態に悪影響がある、とわかっていながら飲んでしまう〈悪魔のカクテル〉の特徴を解説する。

「今日は〈悪魔のカクテル〉でお願いします」

 わざわざ〈悪魔のカクテル〉を注文する人なんて本当にいるのだろうか。それがいるのだ。ただ、たいていは無意識に頼んでいる。ここで、よくある6種類の〈悪魔のカクテル〉を見ておこう。

〈悪魔のカクテル(1)〉気づかぬまま飲んでいるカクテル

 本人は飲んでいるつもりはないが、慢性的な炎症や強い感情、肉体的な苦痛などを長期間経験している場合に飲んでしまっているカクテルだ。知らず知らずのうちに炎症や苦痛のストレスに蝕まれ、ゆっくりと確実に気分が落ち込んでいく。

〈悪魔のカクテル(2)〉悪気なく飲んでいるカクテル

 自分がポジティブな感情になるのを許せない人が飲んでいるカクテルで、そういう人は人生の大半を憂鬱な気分のまま過ごしている。ポジティブな感情を感じたり見せたり、表現したりすることを学んでこなかったのか、過去のトラウマのせいかもしれない。しかしどんな場合でもそうだが、セルフリーダーシップを学ぶことで勇気を出して感情を感じ、見せ、表現することを身に着けることはできる。

〈悪魔のカクテル(3)〉受動的に飲んでいるカクテル

 自覚はしているが、選択が受け身になりがちな人たちが飲んでいるカクテルだ。例えば週末だけが楽しみで、仕事のある平日は次の週末までのつなぎでしかない。仕事など好きではなく、意味を感じられないために平日は感情のスイッチを切っている。学校や職場でいじめられているせいかもしれない。

 感情のスイッチを切ると〈天使のカクテル〉の材料が足りなくなり、余計に週末だけが心のよりどころになるが、月曜はまた必ずやってくる。人生はずっと暗いままだ。〈天使のカクテル〉の材料が足りないことが原因だ。