書影『最適脳 6つの脳内物質で人生を変える』『最適脳 6つの脳内物質で人生を変える』(新潮新書、新潮社)
デヴィッド・JP・フィリップス 著、久山葉子 翻訳

 そのうちに毎日〈悪魔のカクテル〉を飲むようになり、エネルギーが失われていく。

 絶え間ない自己批判が続き、ネガティブな感情と混ざり合った末に様々な形のクイック・ドーパミン(スマホの過剰使用、買い物、ギャンブル、甘いもの、スナック菓子、不健康なテイクアウト料理、ニュース、ポルノ、SNSなど)で補おうとする。

 社交的な刺激の少なさや運動量の低下とも組み合わさり、やる気が出ないあまりに最悪の場合にはドーパミン刺激を最大限に求めてギャンブルや食べ物、アルコールなどに依存してしまう。

 長期にわたって〈悪魔のカクテル〉を飲んでいると気分が落ち込み、うつや強い不安につながり、自分でもどうやって抜け出せばいいのかわからなくなる。

 暗い話に聞こえるかもしれないが、そんな人たちにも打開策がある。どの種類の〈悪魔のカクテル〉を飲んでいたかに関係なく、〈天使のカクテル〉を飲み始めればいい。どのレベルにいたとしても違いを感じられるはずだし、時とともに何もかも軽く感じられるようになる。

 暗い霧が晴れて、自分を閉じ込めていたシャボン玉が割れ、心にまた火が灯るのを感じられるだろう。〈悪魔のカクテル〉を毎日飲むのをやめるために、次のようにアドバイスしたい。

1.ストレスマップを作成し、すぐに行動に移す。

2.クイック・ドーパミンを減らし、スロー・ドーパミンを選ぶ。

3.オキシトシンのツール。

4.セロトニンのツールを使って自己肯定感を高める訓練をし、自己批判を減らす。

 この4つのステップと併せて、運動をすることだ。短い散歩から始めればいい。毎日瞑想もして、睡眠も最適化するのが望ましい。