バイデン氏のテレビ討論会で窮地の米民主党、「不出馬」だけでなく戦争政策の見直し急務に米ジョージア州アトランタで、大統領選の第1回候補者テレビ討論会のステージに立つバイデン大統領(右)とトランプ前大統領 Photo:AFP=JIJI

バイデン氏、「高齢不安」露呈
民主党内から「撤退」求める声

 秋の米大統領選挙に向けた民主党のジョー・バイデン大統領(81)と共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)による第1回テレビ討論会が6月27日に行われた。

 高齢不安を抱えるバイデン大統領、刑事訴追を受けた異例の候補者、トランプ前大統領の議論は政策論議よりも口汚い個人攻撃が目立つ展開になったが、バイデン氏は風邪気味だったとはいえ、言動や所作に衰えが目立った。

 結果はバイデン氏の健康状態や高齢に対する不安が印象づけられる一方で、トランプ氏のデタラメさはかすんでしまった。

 民主党内からは、バイデン氏の立候補取りやめを求める声が上がるなど、当惑と混乱が広がるが、もともと政権内でも判断能力への懸念からバイデン大統領が外交・安全保障政策の決定から実質的に外れていたという話もある。

 窮地に立った民主党は、候補者取り換えだけでなく、ウクライナやガザ問題での外交政策の転換で“大失点”を挽回する必要が出てきた。