断熱性アップが期待できる
窓を二重にする「内窓」
まずはおすすめなのが、現在ある窓の内側に新たに窓を設置し、窓自体を二重にする「内窓」だ。内窓を設置することで、外窓と内窓との間に空気層ができ、熱が伝わりにくくなる。また断熱性の向上はもちろんのこと、音を遮断する防音効果が得られるのも内窓のメリットだ。
内窓に使われる樹脂フレームは、一般的なアルミのサッシと比較すると熱を伝えにくい性質を持つ。さらに内窓に使用するガラスも断熱や遮熱性能の高い複層ガラス(ペアガラス)、Low-E複層ガラスなどをチョイスすれば、サッシ・ガラスそれぞれで効果が期待できる。
ここであらためて、断熱・遮熱の違いに触れておこう。「断熱」とは、室内の熱を外へ逃さず、熱の移動を最小限に抑える性能を指す。一方の「遮熱」は日差しを遮り、太陽光の影響を最小限にしてくれる働きをするため、例えば西日の強い部屋は遮熱性能の高いガラスが適していることになる。一方で、ある程度日差しを取り入れたい場合は断熱機能のみを選ぶなど、室内の環境や状況によって適宜使い分けるとよいだろう。
内窓の種類には、一般的な引き違いから、左右のどちらかが室内側に開閉される内開き窓まで、さまざまな種類がある。その1つがFIX窓と呼ばれる開閉できない窓で、はめ殺し窓と呼ばれることもある。室内の断熱性を高める内窓だが、窓が二重になることで開閉の手間も増えてしまう。そのデメリットも考慮したうえで、開閉頻度が低い窓は思いきってFIX窓にするのも一案だ。窓の開閉の手間が省け、より気密性を向上させることにもつながる。
気になる設置費用だが、1か所あたり5万~10万円前後とリーズナブルに抑えられる。それでも戸建て住宅のすべての窓を内窓にすれば、100万円前後を見ておく必要がある。費用負担については、条件を満たせば「先進的窓リノベ2024事業」「子育てエコホーム支援事業」などによる補助金が利用できる場合もあるので、ぜひ設置を検討してみてほしい。