写真:窓の結露写真はイメージです Photo:PIXTA

カビが生えやすい
3つの条件

 2022年末から今年1月にかけて、関東など太平洋側では極端に雨が少なく乾燥した晴天が続いていた。東京都心では連続で21日降水がなく、過去2番目に並ぶ長さを記録した。気温が低下し、空気中に含まれる水蒸気量が減少し、湿度が低くなる日本の冬は「乾燥する」シーズンと言っていい。

 ただ、日本は年間を通じて湿気の多い国でもある。中でも高温多湿になる初夏、梅雨時のカビの発生に頭を悩ませる方は多いはずだ。では乾燥する冬はどうだろうか。ジメジメ、ムシムシする夏と比べ、カビ対策が手薄になりがちだ。実はカビは、次の3つの条件が当てはまった場合に生えやすくなるとされる。

1.温度20~30℃
2.湿度は60%以上
3.ほこりや人の皮脂など栄養源がある

 冬がこの3つの条件に合致する大きな要因が「結露」である。結露は部屋の中と外の温度差が大きいことで発生する。例えば窓の結露は、室内の暖かい空気が窓際の冷たい空気に冷やされ、水滴となる。同様に押し入れやクローゼットの中、外側からは見えにくい壁の中でも結露は発生してしまう。結露の湿気がとどまる一方、寒い部屋は暖房器具などで暖められ、20~30℃に保たれる。ほこりや皮脂などの栄養源があれば、冬でもカビが発生する条件は容易にそろうことになる。