サッシはそのままで
断熱ガラスに交換する方法も
また、建物が完成してから長い年月が経過している築古住宅の場合、ガラス1枚を使った単板ガラスの窓も少なくない。その場合は現状の窓枠はそのまま、ガラスだけを断熱効果や遮熱効果の高い複層ガラス(ペアガラス)に変えるのも一つの手だ。単板ガラスから複層ガラスに変える際には厚みが必要となるが、アタッチメントの部材を取り付ければ問題なく取り付けられるようになっている。
ただし、ガラスが増えるため、窓全体が重くなる。サッシの開け閉めをスムーズにする滑車のような金物「戸車」の交換を検討するなど、あらためて対策が必要になる可能性も考慮しておきたい。また、既存のサッシ枠に新しいサッシ枠をカバーするようにして、新しいサッシを設置するカバー工法という選択肢もある。サッシそのものを交換しようとすると大工事になるが、カバー工法であれば比較的容易にサッシを新しくできるため、予算によっては検討するのも良いだろう。
ここまで、夏の暑さ対策として、サッシや窓を増枠する内窓や、ガラスを交換する窓リフォームについてお伝えしてきた。ここからは、もう少し手軽に行える方法を3つ、簡単にご紹介したい。
気軽に試せるのが、窓ガラス用の遮熱フィルムを用いる方法だ。ガラスの表面に遮熱フィルムを貼ることにより、日差しが室内に入るのを防ぎ、温度上昇を抑える効果が期待できる。ホームセンターや通販などでさまざまな種類の遮熱フィルムが販売されており、安価かつお手軽な暑さ対策である。
遮熱フィルムは簡単に対策できる半面、耐用年数が短い点がデメリットとなる。窓のある場所の日当たりやフィルムの種類によるものの、場合によっては数年ごとに張り替えなければならない。1回あたりの費用がリーズナブルであっても、張り替え回数がかさむと、ランニングコストとなってはね返ってくる。