「当方が2人以上だとスムーズに全部の会話メモを取ることができます。しかし、これが当方1人での商談だと、プレゼンで使用する資料の説明や、それに付随する画面操作をしながらの作業を抱えながらの会話キャッチボールとなり、さらにそれと同時進行で『会話メモを全部記録する』というのはなかなか至難の業に感じます。せめて、拾える限りの会話内容だけでもメモを取りながら、双方で認識を揃えながらの会話が出来るように頑張ります~!」

 さて、これはどう考えればいいでしょうか?

 まず眼前可視化が必要な場面とそうでないものとを切り分けて考える必要があります。必要なシーンとは「議論の跡を残しておくべき時」で、作業や商品説明など一方的にこちらから説明・報告・連絡などをする場合は不要。相手と課題や打ち手を議論する時や、ご要望いただく時に向いています。

 眼前可視化はあくまでも共通認識を得ることが目的で、例えばデモとかプレゼンをある程度やった後に「今回おっしゃったことをまとめます」といった形で議事録(メモ)を見せる、などの運用でもOKです。

眼前可視化したメモの
具体的な事例

 ここでは、眼前可視化したメモのパターンを提示します。

<例1>
9月発売「○○」の宣伝プロモーション計画

日時:5/7(月)15:00~15:30
場所:A社様第1会議室
出席者:A社様(Bマーケティング事業部長、C営業部課長、D主任)、E社F部長、G次長、H主任、I(議事録作成)

【目的】
「○○」のプロモーション戦略策定

【決定事項】
(1)テレビ、新聞、雑誌、Webの各媒体を通じて「○○」の知名度が向上するようにA社がプロモーションをかける。

(2)予算は△△万円とし、状況に応じて増額する。

【会議の概要】
(1)○○の販売・プロモーションの開始について
・順調に開発は進んでおり、6月中には生産を開始できる見込み。発売開始日を9月1日とする(F部長)
・9月発売であれば、遅くても8月上旬にはプロモーションを開始する(B部長)

(2)プロモーション方法
・A社様は6月15日までに媒体候補を選定し、E社に提案(C課長)
・知名度をできるだけ向上させるため、テレビ、新聞、雑誌だけではなくウェブサイトも含めて幅広く実施して欲しい(G次長)
・ウェブが加わると希望の予算△△万円で収まらない可能性がある(C課長)
・状況に応じて増額を検討(F部長)

【補足】
・A社様とE社のやりとりは、D主任とH主任が行う。