小規模宅地、未成年、配偶者…
控除や特例を使いこなして節税を

 “使える”のは基礎控除だけではない。前述の遺産総額は正確には、「非課税分を除いた遺産総額」だ。墓地や墓石、仏壇のほか、相続人が受け取った死亡保険金などにも非課税限度額(500万円×法定相続人の数)が設定されている。

「小規模宅地等の特例」のように、居住用や事業用の土地を相続する場合、一定の条件下で土地の評価額を最大80%減額できる制度もある。

 他に未成年者に対する控除や、10年以内に2回以上の相続があった場合の相次相続控除などもある。

 こうしたさまざまな軽減措置の中でも特に大きいのが、故人の配偶者に対する税額控除だ。「配偶者控除」が適用され、最低でも1億6000万円までの遺産相続については課税されない。

 さらに遺産額が1億6000万円以上であっても、法定相続分までであれば相続税はかからない。例えば、子を持つ配偶者が6億円を相続するときには3億円、10億円相続するなら5億円が無税だ。