ハンドリングはスポーツセダン感覚
快適キャビンはショーファードリブンに対応

 アコードでワインディング路を走るのは楽しい。下り坂では勾配に合わせて減速セレクターを使うと走りやすかった。減速度の最大値が従来と比べて倍増したことと、6段階に細分化されたことで好みの減速度が選べるようになった。

 ちょっと攻めて走りたいときには、減速度が固定となるようスポーツモードを選ぶか左パドルを長引きする。アクセルペダルの開度で減速度を自在にコントロールできるようになる。フットブレーキのフィーリングもリファインされた。回生ブレーキだけでなく電動ブレーキの制御がさらに洗練されたようで、ほぼ違和感がなくなっている。

 シャシーの仕上がりも高水準。乗り心地もハンドリングも申し分ない。サスペンションはストローク感があり、足がよく動いて路面にしなやかに追従してくれる。タイヤがつねに安定して接地しているので、攻めぎみに走っても不安に感じることがない。

 走行モードは3種。コンフォートモードを選択するとノーマルよりも当たりがマイルドになる。スポーツモードを選択すると若干引き締まり、ロールが抑えられ回頭性も高まる。だがスポーツでもしなやかさはそのまま。このあたりのさじ加減は絶妙だ。

 ハンドリングはまさに意のままである。回頭性はほどよく俊敏で素直に正確に動いてくれる。修正舵はほとんど必要ない。大柄なクルマながら、すべて手に内で操れる感覚がある。スポーツセダンと呼びたいハンドリングである。

 上級モデルらしく、キャビンの快適性もハイレベル。車内空間に余裕があり、前席はもちろん後席の居住性にも優れている。身長175cmの乗員が後席に座っても足元は広々。頭上にも余裕がある。シックスライトウインドウのおかげで閉塞感はない。