助手席のポジションを調整するスイッチがシートサイドにも配されているので、運転席や後席からでも調整できて便利。リアドアの開口幅は広く乗り降りもしやすい。フラッグシップセダンとして後席を常用することを想定して作り込まれているようだ。

 トランクは奥行きも横幅もかなり余裕があり、後席のシートバックを倒すと長尺物が積める。多彩なシーンに対応できそうだ。

半日近く乗っても
まったく飽きなかったが…

 先進運転支援装備やインフォテインメント系もさらに充実した。たとえばパーキングパイロットは、センターコンソールのスイッチを押してゆっくり前進すると駐車可能なスペースを検知する。設定してしまえば、あとはなにもしなくて大丈夫。狭い場所でも自動的に切り返しまでやってくれる。

 車線変更支援は、可能な状況になるとインジケーターが表示され、ウインカーレバーを半押しすると支援操作を開始。途中で危険だと判断すると自動的に中止する。人間の操作よりも安全な気がした。

 国内向けのホンダ車として初めてGoogleが搭載されたこともニュースといえる。音声対話機能をはじめ、便利で快適にさまざまな機能を駆使できるようになったのはありがたい。

 アコードは、半日近く乗っても、まったく飽きなかった。クルマの完成度は素晴らしい。とはいえSUVが人気の現在、セダンは少数派。しかも新型は車両価格が約550万円と従来車より2割近くアップした。明確なユーザー層が、いまひとつイメージできないのである。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一朗 写真/山上博也)

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