このようなスパイ行為が簡単にできてしまうのも、日本にスパイ活動防止法がないからだ。外国のスパイは、日本では情報を盗んでも簡単には協力者が捕まらないと安心している。日本にスパイ活動防止法がない現在、国民がスパイに関して防衛意識を上げるしかないのである。

 あなたの隣で、今もスパイは情報を盗むために狙いを定めていることを、忘れないでもらいたい。

元プロが伝授「スパイの見破り法」
尾行回避に使える「3回左折」とは

 日本が「スパイ天国」であるのは、再三、お伝えしてきたとおりだ。日本には現在、世界各国から数万人規模のスパイが潜んでいる。

 三歩歩けばスパイにあたる日本にも拘わらず、日本国民はスパイの見破り方をあまりにも知らない。

 ここでは、公安が使う「スパイを見破るテクニック」をお教えしよう。

 スパイはたいてい、徒歩、自転車、車で移動しているが、意外と車でターゲットを尾行するとスパイであることがわかりやすい。

 とくに高速道路でスパイが乗っているであろう車を尾行すると、スパイはもちろん、他で悪いことをしているような人物は、頻繁に後ろを気にする。つねにバックミラーやサイドミラーをチラチラ見ながら、尾行の車がついてきていないかチェックをするのだ。

 公安がスパイを尾行するときはこれを逆手にとって、

「高速に入ってからこの1キロぐらい後ろがクリア(追ってくる車がいない)だから、自分には尾行がついていない」

 と思わせるように追っていく。

 この場合は、2台の車で追う場合もあれば、1台は車、1台はバイクという場合もあれば、社名の入った軽トラで追う場合もある。

 人間はずっと集中し続けるのは難しい。だから車で追うときは高速に入って1キロくらいの間で怪しまれなければ、あとはスパイも安心してしまうので後ろを気にしなくなり、追跡が容易になるのだ。