「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!

税収も企業収益も過去最高なのに、なぜ収入が増えないのか?Photo: Adobe Stock

真面目な人ほど絞り取られる

 23年度の税収が72兆1千億円となり、4年連続で過去最高を更新しました。これに対して、日本人の所得は1994年以来30年にわたって下落基調で、増える兆しが見えません(雇用者世帯平均所得金額)。インフレ下ではお金の価値が下がるので実質的な収入は減りますし、出費は増えるので生活水準は下がる一方です。国民はジリ貧なのに、なぜ税収だけが増え続けるのか?

 原因は3つあります。

1つ目は、上場企業の利益が3年連続で過去最高を記録したこと。
2つ目は、国民にしわ寄せするステルス増税が続いていること。
3つ目は、企業が利益を従業員に還元していないこと。

 これが何を意味するのか? 企業つまり大資本家だけが大儲けして、国もその恩恵を受けているということです。そして、汗水流すサラリーマンには恩恵がなく、受けるのは物価高騰のトバッチリだけ。「百姓と胡麻の油は、絞れば絞るほど出るものなり」という迷惑な名言がありますが、真面目なサラリーマンにも当てはまります。

資本主義とはサラリーマンから効率的に搾取する仕組み

 資本主義は今なお、大資本家が搾取する方式の略奪資本主義のままです。トマ・ピケティの資本論やトリクル理論のような崇高な理論の大半は、資本主義の本当の姿を覆い隠すための詭弁にすぎません。もっともらしい理論や理屈をこねくり回しているだけで、結果的に私たち庶民を煙に巻いて、資本家と経営者と政治家が絶妙に連携しながら、勉強不足の庶民からお金を吸い取る仕組みになっているのです。

 このように私たちは、オギャーと生まれた瞬間から、そんな資本主義の歯車として組み込まれます。実権を握っている資本家と経営者と政治家は絶対に、既得権益を手放しません。理不尽な仕組みを変えたければ、歴史が示す通り革命を起こす以外に策はないのですが、日本のような法治国家では不可能です。だからといってネット上で愚痴ったところで犬の遠吠えです。

 多くの人は直感的にそのことに気づいているのでしょう。それゆえ日本人の半数は選挙権さえも放棄しています。こうなると悪循環です。流れを変えようと奮起したところで、焼け石に水だということ。諦めている人や無知な人が多勢を占める以上、それに従わなければなりません。民主主義とはそういうものです。

誰からも搾取されない唯一の王道

 では、理不尽な仕組みを永遠に受け入れるしかないのでしょうか?幸いにも、少しだけ希望があります。社会を変えられなくても、自分さえ変われば、理不尽を受け入れずに済むからです。

 どう変わればいいのか? 自分自身の立ち位置を少し変えるだけです。

 どういうことかというと、サラリーマンという今の立ち位置のまま、資本家と経営者の立ち位置を獲得します。サラリーマンの収入が増えない原因の1つが資本家による搾取である以上、自分自身が「資本家 兼 経営者」になれば、搾取されずに済みます。「資本家 兼 経営者」になれば納税額を合法的にコントロールできるので、国からも搾取されません。サラリーマンは稼ぎの半分以上を税金と社会保険に持っていかれる身分なので、それを薄められるだけでも効果絶大です。

 ハードルが高いと思われたかもしれませんが、リスクの高い起業はやりません。誰にでもできる「副業ごっこ」から始めます。

 300万円以下の副収入であれば、就業規則違反や人事院規則違反にはなりません。数万円程度の副収入から練習すれば、お金と時間を失うこともありません。じっくり取り組みながら徐々に規模を拡大すれば、数年で給与レベルまで拡大することも可能です。定年後も稼げて足りない年金を補える点も魅力です。

 社会や他人を変えることは、ほぼ不可能です。誰かを批判したり愚痴ったりしたところで、時間と気力と労力の無駄遣いだということ。だったら、自分自身を変えるほうが手っ取り早いというもの。理不尽なことに不満を感じたことが一度でもあるのなら、「副業ごっこ」から始めてみませんか。

**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。