自分を受け入れる
田中さんの場合は、親の希望もあって40代からお見合いなどの婚活にも参加していたのですが、それがまったく楽しくありませんでした。お見合いの席で食事が喉を通らなくなったし、家に帰ると吐いてしまったといいます。お見合いをやめたいと身体が訴えていたのでしょう。
最終的に田中さんは「結婚はしない」と決めて、それを親にもきちんと伝えて、休日に旅行やヨガを楽しんで自然と触れ合うようになってから、症状が緩和しました。いまでは男性女性関係なく、他人と一緒にご飯を楽しむことができるようになったそうです。
しかし「プライベートで女性として求められない」ことを受け入れるのには時間がかかりました。通常、女性は男性よりも周囲の環境への適応性が高く、承認欲求にとらわれてうつをこじらせることは少ないので、かなり前の話ではあるのですが、江越先生はとてもよく覚えているそうです。
このエピソードからわかるのは、自分が何を望んでいるのかを理解することが大切だという教訓です。
「こうでなければいけない」「こうであるべきだ」という思い込みは、ひとりで悩んでいるとなかなか捨てられません。もし他人に相談するのが難しいのであれば、ここでお伝えしたような知識をもって、自分を客観視してみることをおすすめします。