王者ダイソーも焦る“均一ショップ”夏の陣、3COINSらが続々発売する女子垂涎の「コレやばい」神アイテムとは?拡大を続ける均一ショップ。これまでとは違うプレーヤーが新たな需要を掘り起こす(写真はイメージです) Photo:PIXTA

帝国データバンクが今年5月に発表した業界調査によれば、「100円均一」市場は初の1兆円を突破し、店舗は10年で1.5倍まで拡大したという。物価高による節約のためと分析されており、これは腑に落ちる人が多いだろう。市場拡大を象徴するように、インスタグラムやYouTubeでは均一ショップでのマストバイアイテムを紹介する動画が人気だ。節約と工夫、そして選ぶ楽しさを兼ね備えた庶民の遊び場が、現代の均一ショップなのかもしれない。特に女性ウケの面から均一ショップの今後を占う。(フリーライター 鎌田和歌)

 まず、100均とはいえ、以前とは業態そのものが変容しつつある。最近は100円~500円の価格帯をそろえる店舗が多く、購買者たちもすでにそれに順応しつつある。300円均一をうたう店舗も同様に500円、ときには1000円の商品さえ並べられている。つまり、現在において、100円ショップと300円ショップの棲み分けは以前ほどははっきりしていない。

 100円、あるいは300円以上のアイテムが店頭に並ぶ光景を初めて見たときは、均一ショップとしての「自分らしさ」をかなぐり捨てていないかと心配になったものだが、個人的な感覚としては価格帯が多少上がっても均一ショップで感じる「お得感」はなぜか薄れず、「これが500円(あるいは1000円)なら買ってみるか」と、見事術中にハマっている。

 冒頭で紹介した帝国バンクの調査では、ダイソー(大創産業)やセリアなどの各社が、今後100円商品の展開を堅持するのか、それとも「脱100円を広げるのか難しい局面と分析されている。

 均一ショップの新業態を考える上でおそらく無視できないのが3COINS(パルグループホールディングス)の人気だろう。

 現在のところ業界1位のダイソー(国内店舗数2023年4139店、売上高22年5891億円)がセリア、キャンドゥ、ワッツを引き離している状況で、3coinsは他の3社と比べても、店舗数、売上高ともにまだ及ばない。24年2月時点の国内店舗数は949店だ。しかしその推移を見ると、20年時点の約200店舗から急伸していることがわかる。