SNSでも人気の高級スーパー「成城石井」とセブン-イレブンの「金の」シリーズ。「どちらも富裕層向けのマーケティングでしょ?」と思う方、実は、両社の動向を整理すると、深すぎる“真逆の戦略”が浮かび上がってくるのです(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
ローソン傘下の成城石井とセブンの「金の」シリーズ
富裕層向けに優れているのはどちら?
ローソンの100%子会社の成城石井と、セブン-イレブンが展開する「金の」シリーズで知られるPB商品のセブンプレミアムゴールドは、どちらも国内の富裕層が拡大していることに着眼したものです。ただ、両社の採用する戦略は正反対です。
成城石井は富裕層をターゲットに彼らの生活動線に店舗を構えて、富裕層への多様な製品販売を狙います。一方でセブンプレミアムゴールドは国内すべてのセブン-イレブンおよびイトーヨーカドーなどの店舗に富裕層の好む上質な商品を配置して販売します。
顧客接点の数では国内2万1000店舗超とセブンプレミアムゴールドが国内216店舗(2023年)の成城石井を圧倒する一方で、アイテム数では約5000アイテムを品揃えする成城石井.comが43の厳選アイテムを販売するセブンプレミアムゴールドを品数で圧倒します。
接点を武器にする戦略と、品揃えに着眼する戦略、富裕層向けのマーケティングとしてはどちらの戦略が優れているのでしょうか?一緒に考えてみたいと思います。