組織横断的な
専任プロジェクトチーム
ここまでの検討を踏まえて、現在の商品・サービスをもとにイノベーションを起こそうということになったら、専任のプロジェクトチームを立ち上げると効果的です。
既存の業務の延長線上ではイノベーションを起こすことが難しいのですが、組織横断的なプロジェクトに発展させることによって、社内の知見を幅広く集められるからです。
私がコンサルティングをした売上高40億円規模のあるメーカーでは、現状の自社製品では対応できない顧客の声を収集し、対応できない原因も確認したうえで、既存製品の改善や新規製品の開発などのアイデアを検討するミーティングを定期的に開いていました。
そこで生み出されたアイデアをもとに、社内横断的なプロジェクトチームで新商品・サービスを開発し、さらなる売り上げ向上につなげたのです。
現状打破のカギとは?
具体的には、自社製品だけでは顧客の声に対応できず、真の原因が他社製品で解決できることが判明すると、プロジェクトチーム主導で自社と他社の製品を組み合わせ、問題解決につなげました。
信長が木造船で敗れた後、鉄板で囲んで大砲を備えた大型船で勝利したように、自社の商品・サービスでは対応できないことを放置せず、異なるものとの組み合わせでイノベーションを起こすことが現状打破のカギとなります。
1. リーダーが困りごとの解決をあきらめない姿勢をメンバーに示す
2. 困りごとの“真の原因”は何かを特定する
3. 真の原因の解決に向けて足りないことを特定する
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。