しかし、劇場版公開後は大変な高評価を獲得した。新作劇場版はCGアニメで、マンガと動画の間を行ったり来たりするような絶妙の塩梅があり、前アニメ版とは見るからに一線を画していたのもよかったかもしれない。これは、原作者でありながら監督も務めた井上雄彦先生をはじめとする、制作側の功績であろう。『SLAM DUNK』再アニメ化版の成功の理由として、「前アニメ版と見るからに違う」と「内容が問答無用に面白い」の2点を指摘したい。

 『らんま1/2』はまだ再アニメ化の制作が決定して、放送に向けて準備が進んでいる段階である。これを「成功」と言い切ってしまうのはいささか早計ではあるのだが、それを押しても「成功」といって差し支えないほどファンは盛り上がっている。

『らんま1/2』の嬉しいサプライズ
推し作品がリメイクされる日は近い!

 『らんま1/2』の前アニメ版は、「この作品をきっかけにアニオタになった」と自称する人が多い、ディープなファンを多数有する作品である。再アニメ化にあたって、新声優に対するファンの期待と不安が大きく、「前アニメ版と据え置きでない限りアニメ化してほしくない」と悲痛な訴えをするファンも少なくなかった。

 しかし、前アニメ版の声優陣を務めていたのは現在ではレジェンド級声優となっている面々で、「そのキャストが再度一同に介することは、まあ現実的にありえないだろう」という見方が大勢を占めていた。ファンは自身の願望こそあれ、大人の事情を察するくらいには大人である。制作サイドが「声優発表まであと○日!」とSNSでカウントダウンをし、そのXデーが迫るほどファンの不安は膨れ上がっていった。

 そしてついに声優が発表されたのだが、なんとそれが「ほぼ据え置き、続投」だったのである。この、予想をいい意味で大きく裏切った発表にファンは歓喜する以外になく、再アニメ化版放送への期待が青天井に上がっているのが現状である。筆者は前アニメ版未履修だが、界隈の盛り上がりを見るだけでこちらまで楽しくなってくるくらい、すごいことになっている。

 悲喜こもごもの名作リメイク、直近のトレンドは「実写映画化」から「実写ドラマ化」と「再アニメ化」に移行してきている。次に来る作品は何か。自分の推す作品がリメイクされる日が、実は近くまで来ているのかもしれない。