カフェイン摂取の適量は
どのくらい?
どのくらいのカフェイン摂取が適量なのかというと、残念ながら、日本には明確な摂取基準はない。
「エナジードリンクや眠気覚ましの薬など、カフェインを含むものが増えてきた影響によって、急性カフェイン中毒になる人が以前より増えました。今後、日本でも基準が作られる可能性もあります」
ここでは海外で示されている、健康に影響のないカフェイン摂取量の例を挙げる。
例えば欧州食品安全機関(EFSA)では、健康な成人に悪影響のない1日当たりのカフェイン摂取量は400mgまでとし、1回当たりでは体重1kgに対して3mgまでとしている。また、カナダ保健省では1日当たり400mgまでとし、これはコーヒーマグカップ3杯(1杯237ml換算)に相当するとしている。
子どもや妊婦などではカフェインの影響が大きいことが懸念されており、1日あたりの摂取上限はもっと低く設定されている。
カフェインの感受性には個人差がある。カフェインには利尿作用もあるが、コーヒーやお茶を飲むとすぐにトイレに行きたくなるようなら、比較的感受性が高いと言ってよい。
ほっと一息つくために、コーヒーやお茶などを飲むのが習慣という人も多いだろう。「カフェインの取りすぎかな?」という時には、カフェインが含まれていない麦茶やそば茶、甜茶などを取り入れるなど工夫して、健康的なカフェイン摂取を心がけたい。
(監修/湘南医療大学薬学部薬理学研究室教授 舩田正彦)