ジョー・バイデン米大統領は21日、再選に向けた選挙戦から撤退し、不可避となっていた事態を受け入れた。同氏の決断は不本意ながらの遅すぎるものだったが、米国にとっては最善の対応となった。バイデン氏に大統領の職務をあと4年務める能力がないのは明らかであり、ドナルド・トランプ氏に惨敗を喫しそうな情勢だった。共和党員たちはバイデン氏の決断について、同氏を予備選で支持してきた有権者に対する侮辱だと述べているが、民主党のエスタブリッシュメント層がバイデン氏の撤退を望んでいたのは間違いない。ナンシー・ペロシ元下院議長やハキーム・ジェフリーズ下院院内総務、チャック・シューマー上院院内総務、バラク・オバマ元大統領は、最終的に党内クーデターとなった動きを画策した。しかし、彼らはバイデン氏が勝つ可能性があると考えていた間は、同氏を全面的に支持していた。大統領選に関する世論調査でバイデン氏が敗者になる公算が大きいとの結果が示され、民主党支持の有権者が反乱を起こして初めて、彼らはバイデン氏を党の候補者の座から追い落とすことをたくらんだ。