カネをかけない選挙でも
シナリオ次第で政権交代できる

 カネを出すほうは当然、口利きの効果があるからやっている。なんの効果もなかったら、誰もカネなんか出しませんわ。

 企業がパーティー券を買うのもそう。私は市長時代、カネ集めのパーティーではなく、純粋な「市政報告会」をしていたが、あるとき、100万円を現金で渡そうとしてきた人物がいた。「趣旨が違います」と言ってお断わりしたが、ひどく驚かれた。

 後日、その人物から直接、「公共工事の入札価格を教えろ」と言われ、そんなこと直接聞くかとびっくりして、「教えたら捕まりますよ」と言い返したら、「きれい事ばっかり言いやがって」と逆ギレされた。もちろん聞く耳は持たずに追い返した。

 政治家は油断すると、こういう場面にしょっちゅう出くわす。安倍派の議員はもう感覚が麻痺して、「みんなやっとるやないか」と、裏金を懐ろに入れてきた。みんなで渡れば怖くないんでしょうな。

 2023年11月、ホリエモンこと堀江貴文さんが、「泉房穂に1000億円を出せば政権交代できる」と発言しましたが、その100分の1も必要ない。

 仮に衆院議員の全289選挙区に候補者を立てるとして、ナンボかかるかと。じつは選挙期間中については、公費がかなり出るので、ほとんどカネはかからない。選挙期間前の活動についても、ボランティアの協力を得れば、人件費はさほどかからない。チラシの郵送などする必要はなく、SNSでの発信で十分や。