お前に人権はない。死ぬ気で働け!

岩瀬 証券会社ではどんな仕事をしていたのですか?

杉村 証券外務員の資格を取った後、調査部に配属されました。はじめはお茶くみや資料集めなどの雑用からスタートです。社内の人には「なんで掃除のお兄ちゃんがここにいるんだ?」と驚かれました。

岩瀬 どんな雑用を言いつけられたのですか?

杉村 例えばIR(株主向け)説明会に行ってテープを取ってこいとか。「どうせお前には意味わからないだろうけれど、いいから録ってこい」と。失敗したらいけないと思って、ICレコーダーを3台くらい、自費で買って持って行きました。

岩瀬 そこもやっぱり全力なんですね。

杉村 最初に部長に言われたんです。「お前に人権はないから」と。もちろん冗談ですけど。でもその後たたみかけるように、「今日から寝ずに死ぬ気で働け。俺の携帯には5秒で出ろ。できないなら、辞めてもらう」と。なので携帯の着信音も最大にして、休日も夜中も移動中でもすぐに電話に出られるよう、肌身離さず携帯を持ち歩いていました。

岩瀬 書籍『入社1年目の教科書』の3つの原則のひとつに「頼まれたことは、必ずやりきる」というのがあるのですが、杉村さんはまさに原則1を徹底しているという印象です。

杉村 部長の電話は僕にとって生命線ですから、何がなんでも出なきゃと必死でしたね。

岩瀬 そういえば政治家になったのはその後でしたよね。

杉村 ここでもまた信じられない出来事があったのです。

岩瀬 シンデレラ・ストーリーに続きがあるのですか?

杉村 はい。

 ……と、気になるところで本日の記事は終わります。杉村太蔵さんが外資系証券会社での社会人1年目をスタートさせ、次につかんだチャンスとは?

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