「部下に任せるより自分がやった方が早い」→専門家のアドバイスが的確すぎた写真はイメージです Photo:PIXTA

世の中の上司、経営者の多くは、部下に仕事を任せることが苦手です。仕事を任せるには部下の教育をしなければなりませんが、上司は自らのノルマをこなすことも課せられており、余裕がない場合も多いでしょう。しかし、そうした職場では部下は成功体験による成長を実感しにくく、離職のリスクも高まります。今回は、できるだけ時間を使わずに、安心して仕事を任せる方法をご紹介します。(メンタルチャージISC研究所代表取締役 岡本文宏)

仕事を任せることが
苦手な上司が多い理由

 任せることで、部下のやる気と定着率が同時に上がります。なぜなら、重要な業務を任せられた部下は、「自分は上司、会社から頼りにされている」「期待されている」と思えるからです。

 そして、任せられた業務をしっかり完了させることができれば成功体験が増え、自信が持てるようになりますし、そうした自分を振り返ることで、成長を感じられます。人は仕事を通して成長したいと思っています。それゆえ、成長できることを実感できる職場からは離れようとしません。

 ただ、世の中の上司、経営者の多くは、任せることが苦手です。なぜなら、人に任せるよりも自分でやったほうが早いし、失敗もないし、任せると思ったような結果につながらないと思い込んでいるからです。私はこれを「何でも自分でやってしまう病」と呼んでいます。

 また、仕事を任せるには、部下の教育をしなければなりません。でも、人手不足の状況下で、上司はプレイングマネジャーとして、自らのノルマをこなすことも課せられています。そうなると、自分のことで手いっぱいとなり、部下に仕事を教えている余裕がない場合もあります。しかし、これではいつまでも部下に仕事を任せることはできないでしょう。

 今回は、できるだけ時間を使わずに仕事を任せる方法をご紹介します。