【県立千葉高校】華麗なる卒業生人脈!『ブラックペアン』原作者の海堂尊、俳優の市原悦子と宇津井健、共産党前委員長の志位和夫…俳優の市原悦子 Photo:SANKEI

女性初の日弁連会長と検事総長
就任した2人は千葉高校OG

 千葉市中央区の県庁近くにある県立高校だ。前身の旧制中学の創立以来、140余年の伝統を誇る。2008年度から中学校を併設し、中高一貫教育になっている。

 裁判官、検察官、弁護士を法曹三者という。その組織の長はそれぞれ最高裁判所長官、検事総長、日本弁護士連合会会長だが、これまで男性に占められてきた。しかし2024年になって、日弁連会長と検事総長には初めて女性が就任した。しかも、2人とも千葉高校出身なのだ。

 24年4月から日弁連会長に就いたのは、渕上(ふちがみ)玲子(69)。2017年から女性初の東京弁護士会会長および日本弁護士連合会の副会長になり、法務省検察官・公証人特別任用等審査会委員などを務めてきた。

 24年2月、日弁連の次期会長選挙で渕上は1万1110票を獲得し(会員数約4万6000人)、対立候補を大幅に上回って次期会長に選出された。女性弁護士の比率は2024年で全弁護士(45809人)の20.1%と初めて20%を超えている。

 渕上は長崎県の出身で、親の転勤に伴い千葉県立千葉高校に入学、73年3月に卒業し、一橋大法学部を経て1983年に弁護士登録をした。

 一方、渕上より千葉高校で8期後輩の畝本(うねもと)直美(61、中央大法学部卒)は、24年7月9日付で検事総長に就いた。前任の検事総長・甲斐行夫(64、大阪府立三国丘高校―東大法学部卒)の辞任に伴う人事で、政府の閣議で決まった。

 畝本は1988年に検事に任官、2021年に女性初の検事長として広島高検検事長に就任し、23年1月から東京高検検事長を務めていた。自民党派閥の裏金事件などの捜査を指揮した。検事総長には東京高検検事長ポストに就いた人物が昇格することが慣例になっており、畝本の検事総長就任はごく順当な人事だった。

 畝本は男女雇用機会均等法が施行された1986年に司法修習生となった。同期で検事になったのは41人で、そのうち、女性は4人だけだった。検察全体では23年3月末で、1983人の検事のうち女性は539人で27.3%になっている。