トランプ氏のバンス氏重用、ウォール街の影響力低下かPhoto:Alex Wong/gettyimages

 ドナルド・トランプ前米大統領はJD・バンス氏(39)を伴走者に選んだ。大統領選の激戦州の一つ、オハイオ州の出身で、経験の浅い政治家に賭けたということだ。それは同時に、ウォール街の力が衰えつつあることの表れでもある。

 バンス氏が副大統領候補になったことで、第2次トランプ政権が誕生すれば、金融業界の大物よりもIT企業経営者がより大きな影響力を行使する可能性がある。金融関係者は、トランプ氏がオハイオ州選出の上院議員1期目のバンス氏を選んだのは、自分たちと融和することにあまり関心がない兆候だと考えている。一方、実業家イーロン・マスク氏などシリコンバレーの財力あるトランプ氏支持者はこの人選に喝采を送っている。