この連載は、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車など多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんによるものです。
本書の読者からは、
「言葉の引き出しが増えた!」
「載っている言葉を1つでも多く使いたいと思った」
「繰り返し読みたい本になりました」
といった感想がたくさん届いています。相手も自分も大切にするコミュニケーションのヒントが満載の本書から、別れを決断した人に伝えたい一言をご紹介します。
友人から別れの報告をされたら
恋や結婚生活にピリオドを打った人に、どんな言葉をかけますか?
例えば、
「もっと早く別れなって言ったじゃない!」
「前からうまくいかないだろうって思ってたよ」
こんな言葉は、励ましのつもりでも相手を傷つけるかもしれません。
その代わりに、
「頑張ったね、よく決断したね」
といった一言をかけてみてください。
別れの選択は勇気がいる上に、心に傷を負います。前に進む決断をした相手をたくさんほめましょう。気持ちをすぐに切り替えられる人はまれです。
そしてさらに前向きになれる言葉をかけられるとよいですね。
例えば、
「幸せになるための選択をしたから、大丈夫だよ」
このように「すぐに新しい人が現れるよ」といった「未来」の話よりも、前を向いている「今」にフォーカスしましょう。
前向きな離婚をした人に
「お疲れ様。そして、おめでとう。新しいスタートを応援しているよ」
離婚後の目標は、再婚だけではありません。再婚できるように応援するのではなく、新たなスタートそのものを応援できるといいですね。
別れた相手の悪口は言わないで
励ますつもりで「前からあの人感じ悪いと思ってたのよね」などと、相手が別れた人の悪口を言うのは絶対に避けましょう。愛し合った日々もあるわけで、言われた人は、その人を選んだ自分も下げられているように感じてしまいます。
本人が相手を悪く言っていたとしても、それに同調するのではなく、感情を受け取るだけ、寄り添って慰めるだけにとどめましょう。
少し元気になった人に
別れを経て相手が少し元気になったら、こんな一言を。
「前よりいい表情になったね」
自分の人生を選択し、前を向いた人の表情は幸せそうで凛とした美しさや輝きがあります。ぜひ言葉で伝えてください。
そして次のステップを促す言葉をかけるのも素敵です。
「これで、やりたかったことがいっぱいできますね!」
別れ話が一段落したら、相手の興味や関心のある話を持ち出してみて。ワクワクする気持ちを思い出してもらえたらうれしいですね。
自分から深入りしない
野次馬のように「何が原因だったの?」と根掘り葉掘り質問するのはNG。だれにでも、話したい相手やタイミングというものがあります。
会社の後輩など仕事関係の場合は、「大変でしたね、無理しないでくださいね」と伝えつつ、あまり負担のない仕事を割り振るなど、さりげなくサポートを。あとは深入りせずに、フラットな態度でいることも大切です。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)