この連載は、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車など多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんによるものです。
本書の読者からは、
「言葉の引き出しが増えた!」「載っている言葉を1つでも多く使いたいと思った」「繰り返し読みたい本になりました」
といった感想がたくさん届いています。
相手も自分も大切にするコミュニケーションのヒントが満載の本書から、好印象を残す季節の挨拶をご紹介します。

【夏の挨拶】普通の人は「毎日、暑いですね」。では、感じのいい人は何と言う?Photo: Adobe Stock

表現次第で深みのでる季節の挨拶

 暑い日が続くと大体の挨拶が、

「毎日、暑いですね」
「暑くてイヤになりますね」

 といった表現になると思います。
 けっして間違いではありませんが、あまり印象には残りませんね。
 例えばこんな表現はいかがでしょう。

「いよいよ夏本番ですね」
「夏真っ盛りですね」

 暑さ寒さをついボヤいてしまう人も多いですが、ポジティブに表現すると素敵な印象に変わります。

 他にも、

「蝉時雨が愛おしく感じられます」

 なんていう一言も素敵です。

 夏は「成長」の季節。「暑苦しい」や「寝苦しい」などのマイナス言葉に代わる、夏の魅力を込めた言葉を伝えてみましょう。海や山、入道雲の力強さや輝く太陽……。夏の魅力はエネルギーにあふれています。

花や植物の話題を会話に盛り込む

 四季折々の花や植物の話題は、会話に彩りを添えて、豊かな印象になります。生花店や道端の花が目に入ったら、「〇〇の花がきれいな季節ですね」とひと言添えてみましょう。

◆季節の花の例◆
春 = 桜、チューリップ
夏 = ひまわり、朝顔
秋 = コスモス、キンモクセイ、紅葉
冬 = ポインセチア、シクラメン

季節のイメージがわく表現を

 会話に季節感を込めるときに大切なのは、相手に「確かに季節って素敵だなぁ」と感じてもらうこと。

 四季の魅力や美しさ、四季折々の楽しみ方、味わい方などを、具体的なキーワードで伝えてみましょう。いつもの会話に豊かさがにじみ出ますよ。

(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)