一般的なFIREの矛盾点
株式投資などで短期間に大きな資産を築く人もいますが、そうした人はそもそも自分で運用して資産を増やせるので、年利4%程度の利回りには興味を持ちません。
なかには親の遺産を相続してまとまったお金が入ってきた人もいるでしょう。しかし、そうした人は大金を扱うスキルがほとんどない状態で運用して、逆に資産を減らしてしまうケースが多いです。
銀行や証券会社がすすめる高い手数料の投資信託などを買って、損をするのが目に見えています。
FIREしても暇を持て余して
また仕事をするようになる?
FIREを目指して拙著『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)を手にした読者のみなさんも多いと思いますが、「年利4%の投資利回りだけで生活するリタイア生活を目指す」というのは、おすすめしません。
FIREというと「早期リタイアして完全に仕事を辞め、自由気ままに生きる」というイメージを抱くかもしれませんが、拙著では自分の許容範囲で仕事を続けることを前提に、早期に「お金と時間の自由」を獲得する方法を共有していきます。
FIREを果たして仕事を辞めた人たちも、実際のところ数年すると、暇な時間を持て余して、ほとんどが何かしらの仕事をするようになっています。
遊ぶだけの人生はすぐ飽きる
私自身の経験としても、「お金と時間の自由」を手に入れてから、最初のうちは海外旅行をしたり、自由な時間を謳歌したりしたのですが、仕事をしない状態が一定期間続くと、遊ぶだけの人生にすぐに飽きてしまいました。
いまでは「ixi(イクシィ)」という投資家のコミュニティを主宰したり、ビジネスに投資をしたり、他人の会社の事業を手伝ったり、こうして本を書いたりと、結局のところいろんな仕事を手がけています。
やはり、仕事をすることで自分の存在価値を確認することができますし、なにより仕事を通して誰かに喜んでもらえることが、自分にとっての幸せにつながるのです。
「お金」と「時間」の自由を
両立させるたった1つの選択肢
そのため、最初から誰かの役に立つ仕事を続ける前提の自由を目指すほうが、完全に仕事を辞めるという一般的なFIREを目指すよりも圧倒的に現実的です。
ただし、どのような働き方を選択するかは、とても大切です。物理的な場所や時間に拘束される働き方を選択してしまうと、「お金の自由」を得られたとしても、「時間の自由」を得るのが難しくなってしまいます。
そこで、拙著では「ビジネスオーナーになる」という発想での働き方を提唱します。
働く「場所」と「時間」に
縛られない「ビジネスオーナー」とは?
「お金と時間の自由」を同時に得るためには、自分がプレイヤーとして仕事をするのではなく、ビジネスオーナーとして仕事をすることに考え方をシフトしていく必要があります。
ビジネスオーナーになれば、働く場所や時間に縛られることがなくなります。そのことを拙著では、さまざまな実例や解説を交えて説明していきます。
読者のみなさんが抱える課題を明確にして、どのように前進していけばいいかを“見える化”するため、実践的な「ワーク」も多く盛り込んでいます。みなさんが現状からスタートして、「本当の自由」を手に入れ、理想の人生を歩むためのお手伝いを拙著でさせていただきます。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。