みっちり計画を立てるより
「毎日の習慣」を作ることが大切

 では、忙しい中、実際にどうやって勉強していくのか。

 平日仕事でなかなか時間がとれないビジネスパーソンであれば、週末の数時間にまとめて勉強する計画を立てる人が多いかと思われます。ですが、できれば30分でもよいので平日に毎日勉強したほうが効果的です。

 人の記憶力は、3日たつと大半の内容を忘れてしまうと言われています。週末だけ勉強するよりは、毎日少しでも続けるほうが、記憶が定着しやすいのです。

 平日には、通勤などのスキマ時間を活用するのがおすすめです。満員電車でテキストを広げられない、車通勤だといった障害もあるかもしれませんが、音声のテキストをスマートフォンなどに格納して聴くなど工夫して継続的に勉強する習慣を作りましょう。最近は、廉価や無料で提供されている動画教材もあります。

 ただ、動画教材は、情報が細切れになりやすいので、1冊は紙のテキストを用意したほうがよいでしょう。紙よりも電子で本を読むのに慣れてきた人も多いと思うのですが、全体像を把握したり、間違えた問題をメモしたり、覚えにくい箇所をマーキングしたりする利便性という面では、紙の教材にメリットがあります。

 週末は試験直前の週を除き、2~3時間程度に抑えたほうがよいです。土、日が勉強でつぶれると休息する時間を取れなくて疲れてしまいますし、家事や家族サービスなどがおろそかになると、家庭の雰囲気も悪くなってしまうでしょう。ただし週末もスキマ時間を活用します。

 知人と会うのであれば、少し早めに着いてカフェで学習する、家族で外出するのであれば移動時間を利用するなどです。年齢とともに単純な記憶力は衰えますが、エピソードを交えた記憶力は衰えにくいと言われています。あの人と会う前に覚えた、あの場所に行く際に見たなど、普段と異なる場所で学習した内容は記憶に残りやすいです。

 資格試験を目指す際、単元を漏れなく終わるように計画を立てることは必要ですが、日単位で細かく立てると、今日も消化できなかったとメンタル面に悪影響を及ぼします。計画を立てるときは、週単位にしておいたほうがよいでしょう。

 それよりも重要なのは、通勤時間や週末の午前中には必ず勉強するといった習慣をつけることです。勉強により得られる成果をイメージすると、勉強するのが苦にならなくなります。「資格手当をもらって給料が増える」でもよいですし、「英語が聞き取れるようになり、海外のニュースやドラマを字幕なしで楽しめるようになる」でもよいです。自分の性格に合った楽しみを見つけて取り組んでみてください。