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 菅前総理のときも基本は同じでした。首相機関というひとつのシステムでは、頭が変わってイメージが変わっても、中身は変わらないのです。その意味では、戦前の天皇制に近いといえます。

 だから今度は岸田総理に交代し、さらに支持率が10%代半ばまで下がっても、政権は維持されているのです。この国の権力は資本家が握っているのが実態ですが、経団連の中から岸田総理を下ろそうとする動きはありません。

 なぜなら岸田総理は、産業の根幹であるエネルギーだけは貪欲に手に入れてくるからです。ウクライナ戦争で口ではロシアを非難しても、天然ガスの10%はロシアから調達しています。ちなみに岸田総理の選挙区にある広島ガスは、ロシアのガス会社と10年契約を結んでいて、広島で供給されるガスの50%はロシア産です。

 岸田総理はエリートネットワークを持っているから、支持率が低くても足元は揺るぎません。政治に対する国民の諦めは極めて深く、野党は極めてだらしなく、国民の目から見えにくいエリート層が政治をガッチリ掴んでいるのが、日本の現状です。