自動車・部品メーカーの給与ランキング【大手5社・トヨタ系部品8社】企業間格差、系列ヒエラルキーは健在Photo:AFP=JIJI

円安ドル高の恩恵を受ける製造業の中でも、とくに好業績が目立つのが自動車業界だ。為替リスクや、地政学リスクを回避するために海外生産が進んでいるが、日本からの輸出の割合は比較的高いため、円安が好業績をもたらした。北米市場でハイブリッド車(HV)の売れ行きが好調であることも追い風になった。では、働く社員にどれだけ還元されているのだろうか。特集『最新!給料ランキング』の本稿では、大手自動車メーカーやサプライヤーの平均年収を集計し、賃上げの実態と企業間格差に迫る。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)

ハイブリッド車の人気で好業績のトヨタとホンダ
中国市場不振も北米需要は堅調

 大手5社の中で業績が突出しているのがトヨタ自動車だ。2024年3月期の営業利益は前期比約2倍の5兆3529億円となり、日本の上場企業として初めて5兆円を超えた。電気自動車(EV)の需要鈍化によりハイブリッド車(HV)が再注目される中、自動車マーケットの主要国である米国でHVの販売が業績を支えた格好だ。

 トヨタほどではないにせよ、ホンダも豊富なHVのラインアップで北米の顧客に支持され、営業利益が前期比77%増の1兆3819億円となり、過去最高を更新している。中国市場では日本勢の苦戦が目立つものの、今後も北米で高い需要が見込まれる。

 では、上記のような経営環境の中、社員の平均年収はどれくらい増えたのだろうか。ダイヤモンド編集部は、大手自動車メーカーやトヨタ系サプライヤーなどの24年3月期の最新の平均年間給与を比較した。

 自動車メーカーで働く社員の待遇はどれくらい改善されたのか。次ページでは、大手自動車メーカー5社やトヨタ系サプライヤー8社の給与と、企業間格差に迫る。