【1分読み切り】日本の武道などで使われる「守破離」にも通じる考え方で、成果を出し続けましょう。
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人のマネをしてみる?
今日は「人のマネは長続きしない」というテーマについてお話しします。最初は人のマネでも構いませんが、そのままマネし続けていては上手くいかないということです。
何かをやりたいと思うとき、多くの場合、モデルとなる人をイメージするもの。「あの人はこんなことで成功している。自分にもできそうだからやってみたい」と考えるわけです。
ただし、まったく自分の興味・関心と重ならない人や、突拍子もないことをしている人を見ても、マネしたいとは思わないでしょう。自分と似た感じの人が、自分とは少し違うことをしてうまくいっているのを見ると、「やってみようかな」と思うものです。
人の才能は簡単に測れない
最初はモデルとする人のマネをしてもいいと思います。しかし、マネするだけでは長続きしません。なぜなら、うまくいっている人には、その分野に通じる特有の才能があり、それによって成功しているからです。
その才能が自分にもあるかどうかといえば、実はないと思ったほうがいいでしょう。才能は同じ尺度では測れません。同じ尺度で測れるのは学校や資格のテストくらいのものです。
世の中のほとんどのことは、テストのように誰かが採点しているわけではありません。ある人がうまくいっているのは、その人の性質、性格、特性など、さまざまな要素が複雑にフィットしているからなのです。
自分の持ち味を活かす
つまり、最初はマネをしてみて、自分に合わない部分を見つけることが大切です。そして、他人に自分を合わせるのではなく、自分のスタイルに変えていくことが重要なのです。
アテクシの場合、長く話すのが苦手で、なんでも簡潔に短く語ることを得意としています。長いものをつくるのは得意ではありませんが、これは逆に簡潔に物事を語るという特性でもあります。
長く話せないなら、短く話すことに特化する。このように、自分の持ち味を活かす方向に変えていくのです。
他人をマネするだけだと、そのモデルを理想として近づこうとしてしまいます。そうではなく、自分と違うところがあったら、マネしたことを自分に近づける。そういうアプローチをするほうが、物事はうまくいきやすいと思います。