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【精神科医が教える】うまくいく人が意識している1つのことPhoto: Adobe Stock

人のマネをしてみる?

今日は「人のマネは長続きしない」というテーマについてお話しします。最初は人のマネでも構いませんが、そのままマネし続けていては上手くいかないということです。

何かをやりたいと思うとき、多くの場合、モデルとなる人をイメージするもの。「あの人はこんなことで成功している。自分にもできそうだからやってみたい」と考えるわけです。

ただし、まったく自分の興味・関心と重ならない人や、突拍子もないことをしている人を見ても、マネしたいとは思わないでしょう。自分と似た感じの人が、自分とは少し違うことをしてうまくいっているのを見ると、「やってみようかな」と思うものです。

人の才能は簡単に測れない

最初はモデルとする人のマネをしてもいいと思います。しかし、マネするだけでは長続きしません。なぜなら、うまくいっている人には、その分野に通じる特有の才能があり、それによって成功しているからです。

その才能が自分にもあるかどうかといえば、実はないと思ったほうがいいでしょう。才能は同じ尺度では測れません。同じ尺度で測れるのは学校や資格のテストくらいのものです。

世の中のほとんどのことは、テストのように誰かが採点しているわけではありません。ある人がうまくいっているのは、その人の性質、性格、特性など、さまざまな要素が複雑にフィットしているからなのです。

自分の持ち味を活かす

つまり、最初はマネをしてみて、自分に合わない部分を見つけることが大切です。そして、他人に自分を合わせるのではなく、自分のスタイルに変えていくことが重要なのです。

アテクシの場合、長く話すのが苦手で、なんでも簡潔に短く語ることを得意としています。長いものをつくるのは得意ではありませんが、これは逆に簡潔に物事を語るという特性でもあります。

長く話せないなら、短く話すことに特化する。このように、自分の持ち味を活かす方向に変えていくのです。

他人をマネするだけだと、そのモデルを理想として近づこうとしてしまいます。そうではなく、自分と違うところがあったら、マネしたことを自分に近づける。そういうアプローチをするほうが、物事はうまくいきやすいと思います。