「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
かつて否定的に
とらえられていたM&A
かつてM&A(合併・買収)というと「身売り」のイメージがあり、買収されるほうからすると、否定的にとらえられました。
しかし、市場の縮小や後継者難といった時代の変化のなかで、いまや大なり小なり会社のM&Aは当たり前となっており、否定的にとらえる人は少なくなっています。
抵抗感が小さめのM&A
M&Aは買収する側・買収される側の業種によって、2つのパターンがあります。1つは異業種の会社を買収するパターンで、自動車メーカーがIT企業を買収するようなケースです。
買収する側が新規事業に進出したり、自社が弱い領域を補完したりするために買収します。
こうした異業種間のM&Aは、未知の業種に進出するリスクはあるものの、同じ業界でないからこそ、買収される抵抗感が比較的小さいというメリットがあります。
抵抗感が大きめのM&A
もう1つは、買収する側が同じ業界の会社を買収するパターンで、自動車メーカーがほかの自動車メーカーを買収するようなケースです。
買収する側が業界内のシェア拡大を図ったり、スケールメリットによるコスト低減を狙ったりする目的があります。
こうした同じ業界内のM&Aは、すでに知っている業種ですから比較的リスクが小さいですし、同じような体制や設備のため、スケールメリットも得やすいでしょう。
しかし、同じ業界だけあって、感情的な軋轢が生じやすく、M&Aが成立しないこともあります。
感情的な抵抗で
M&Aが難航……
実際、私がコンサルティングをしていた化学品メーカーは、将来的な市場規模の縮小と、後継者難により、M&A(買収されるほう)を検討していました。
しかし、競合他社に買収されることに対する社内の抵抗感が強く、その後、M&Aは進んでいません。このような会社(業界)は少なくないのではないでしょうか。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。