金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。忙しく暮らしていると、気が付けば「紙」が、たまっていませんか?「紙」はとりあえず取っておくと、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。実は、人生により大きな影響を与えるのは「モノ」よりも「紙」の片づけなのです。「紙」に特化した片づけ方法を紹介し話題を呼んでいる、片づけアドバイザー・石阪京子先生の著書「人生が変わる 紙片づけ!」から、「紙片づけ」の極意を抜粋して、ご紹介します。

【夏休みにスッキリ! 紙片づけ!】「子どもの作品」をどうしても捨てられない人に知ってほしい心の持ち方Photo: Adobe Stock

子どもの作品は成長する過程の「抜け殻」だと考えて

お子さんの作品をどうしても捨てられないというご相談は、とても多いです。

子どもの作品はいわば「抜け殻」のようなもの。
子どもは成長する過程でたくさんの抜け殻を残していきます。どんどんバージョンアップして、蝶になって羽ばたいていきます。

だから、その抜け殻をお母さんが一生懸命拾って集めて、家の中を狭くするよりは、今のお子さんが羽ばたけるスペースを作ってあげたほうがいいのではないでしょうか。

子どもの作品というのは、子どものモノのようで、実は自分のモノであったりします。自分が子育てをしてきた証を、形として残したいと思われるんですよね。
当時は子育てを振り返る余裕なんてなかったから、手がかからなくなった今、保育園の連絡帳に思いを馳せてキュンとしてみたり、手紙を眺めて、ちょっと切なくなったり。

でも、お子さん自身はまったく執着がないんです。ある生徒さんは、大人になってから「あなたの作品」ということで、お母様からドサッと作品の入ったダンボールが送られてきて、迷惑でしかないとおっしゃっていました。
これは、本書で一貫してお伝えしている「なんのために残すのか」につながる話です。

子どもの重荷になる可能性も

「子どもの作品は自分のために残すのだ」と割り切り、取っておきたいなら、自分のスペースをその分空けて、置いておくしかありません。
でも、1リットルの入れ物には、1リットルの量しか入らないんです。それを、あれもこれもとなるとオーバーして、暮らしがままならなくなってしまいますね。
そして、最期には必ず、それが残されることになります。

自分がいなくなった時に、子どもたちがそれを見たらどんな気持ちになるでしょうか。「ママ、こんなに残してくれてたんだ」となって、きっと処分できなくなります。せっかくの思い出の品が重荷になってしまうのは辛いですよね。
ですから私は、思い出の品は量を決めて残しています。

思い出の品は「棺桶ボックス」に入るだけ

子どもたちにもらった手紙などはB5サイズくらいの黒いケースに、「ここに入る分だけ」と決めて、保管しています。
名付けて「棺桶ボックス」。

私が死んだ時に、これを棺に入れるように娘にお願いしてあります。天国に持っていく思い出の品たちです。

棺桶ボックスを作ったことで、私自身は、とても気楽になり、安心できています。
子どもたちに負担をかけずに済むし、生きている間は、ふたを開けて幼稚園の先生とのやりとりなどを見ることもできます。おすすめですよ!

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。