トランプ前大統領銃撃事件後、初めてミシガン州グランドラピッズのヴァンアンデル・アリーナで選挙集会を行ったトランプ前大統領 Photo:Bill Pugliano/gettyimages

株式市場は「ほぼトラ」織り込む動き
石油や銃器メーカーの株価上昇

 米大統領選は 7月21日、バイデン大統領が、後継にハリス副大統領を推薦して選挙戦からの「撤退」を表明、「バイデンVS.トランプ」の構図が大きく変わることになった。

 13日にペンシルベニアでの暗殺未遂事件を機に、トランプ前大統領の支持率がさらに上昇した状況での決断だった。

 狙撃された直後、シークレットサービスに抱えられながら、右腕を高く挙げたトランプ氏の“勇姿”は強さや不屈ぶりを有権者に印象づけた一方で、バイデン大統領の「高齢不安」が一段と際立つことになり、民主党内でも撤退を求める声が広がっていた。

 マーケットはすでにトランプ優位が鮮明になって、「もしトラ」から「ほぼトラ」シナリオを織り込む動きがある。株式市場では、再生可能エネルギー関連銘柄が下げて、石油会社の株価が上がる。銃規制にトランプ候補が反対するという連想から銃器メーカーの株価も上がっている。

 ハリス副大統領を次の民主党候補に据えても、トランプ優位は変わらないようにも思える。だが、トランプ氏の公約などで掲げる政策を分析すると、トランプ政策は米国だけでなく世界や日本に悪影響を及ぼすリスクが満載だ。