時代を越えるアイコンは
そうやすやすと出来るもんじゃない?
思うに、MINIの開発陣(=BMW開発陣)はカントリーマン(=BMW iX1/2)の開発でBEVの挙動に関する何かの解決方法を得たのではないだろうか。その重さや重心を見事にコントロールしている。きっと高剛性やカウンターバランスとか、そういった話なのだろう。でもってその成功体験を背の低い3ドアハッチバックにもうまく応用した。
結果、峠道を存分に楽しめるBEVが出来上がったのだ。アクセルを強く踏み込んだときの急なトルクの立ち上がりは、モーター駆動っぽさが出る。調子に乗ってコーナー出口で踏み込むと強いトルクステアでオーバーステア方向へ誘われるから注意が必要。オプションの18インチタイヤを履いていたのはそんな理由からだろう。コーナリングスピードをハイレベルでキープできる。
なんて感じでMINIらしく走りを楽しんだ試乗会だった。今回あらためてクラシックミニと、それを2002年に蘇らせた初代BMW MINIの偉大さを知ったような気がする。時代を越えるアイコンはそうやすやすと出来るもんじゃないようだ。
(CAR and DRIVER編集部 報告/九島辰也 写真/MINI)