とかくネットで話題になる職場の「働かないおじさん」。働いていないのに、なぜ会社をクビにならないのか? 弁護士に素朴な疑問をぶつけてみた。(
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「働かないおじさん」もいれば
「働かないおばさん」もいる
働かないおじさん。どの会社の職場にもいそうな人だ。筆者の会社勤務時代の経験から考えると、たしかに働かないおじさんもいたのだが、働かないおばさんもいるし、働かない若い男女もいた。
しかし、世の中で叩いていいのは「おじさん」のほうだけらしい。Amazonで「働かないおじさん」と検索すると、たくさんの書籍が出てくるのに対して、「働かないおばさん」と検索しても書籍は見当たらない。
ちなみに、「おじさん」とアマゾンを検索するといろいろなコミックなどがヒットするのに対して、「おばさん」と検索するとたくさんのアダルト本やDVDがヒットしてしまった。日本の暗黒面を思い知らされた次第だ。
いずれにしろ、企業にとって、組織にとって不必要となっている人は多い。私自身だって、数年前までいた出版社では少しは役に立っていたのかもしれないが、国会議員の秘書をしていたときなど、ひどいものだった。若気の至り、と総括することも私としては可能だが、雇う側からすれば「生産性が低い」「働かない人」だったのかもしれない。
しかし、日本社会では、会社は労働者をなかなか解雇ができないと言われている。サッサと解雇の金銭解決を可能にしたほうが、労使にとっていいようにも思うが、とにかく組織にしがみついていたい人もいるのだろうから、話は複雑になる。
こうした現状について、顧問先企業を中心に労務問題・セカンドキャリア支援案件を扱う城南中央法律事務所(東京都大田区)の野澤隆弁護士に話を聞いた。