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「この先、今ある仕事の多くがAIに取って代わられる」とよく言われるが、そうなると今後人々に求められるのは「絶えざる仕事力の向上」である。そのためには、ただがむしゃらに仕事を頑張ればいいというわけではない。仕事力の向上に必須な基礎能力には大きく3つあると考えている。前々回はメタ認知能力、前回は認知能力について取り上げてきたので、今回は残る一つ「非認知能力」について解説したい。(心理学博士 MP人間科学研所代表 榎本博明)

能力よりも、モチベーションに問題があって
「仕事ができない人」がいる

 非認知能力とは、仕事を遂行する能力そのものではないが、仕事の成果に大いに影響する能力である。モチベーションや感情コントロール力などがこれに当たる。

 多くの職場の管理職が、仕事が今イチできない従業員に頭を悩ませている。こういう場合は、主に、能力の問題とモチベーションの問題に分けられる。能力は一気に向上させることはできないが、モチベーションはコツさえつかめば一気に向上させられる。

 仕事が今イチだと能力に問題があると考えがちだが、じつはモチベーションを改善することで見違えるように仕事ができるようになることがある。こうしたケースは、けっして少なくない。