10年で24人の医師が死亡
世界で最も多くの医師が殺害されている国

 これらの事件はいずれも「治療の結果が期待に沿わなかった。これは医者の怠慢だ」と患者が思い込み、医師に対して不満や恨みを抱き、報復に走った結果起きたものだ。

 中国医師協会が2018年初めに公表した「中国医師勤務状況白書」によると、6割以上の医師が何らかの形で患者やその家族と衝突した経験があるという。また、中国人民大学所属のメディア「RUC新聞坊」がまとめた調査レポートによると、2009~2018年の10年間に、中国メディアが報じた295件の医療傷害事件のうち、合計362人の医療従事者が負傷し、99人は凶器を持った患者や家族に襲われ、24人の医師が命を落とした。

 中国病院協会の幹部・荘一強氏は、「中国は、世界で最も多くの医師が殺害されている国」と指摘している。人口が多い中国には医師の数も多いとはいうものの、被害に遭った医師の数があまりにも多すぎる。これが異常な事態であることは明白である。