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「住む家は、その人の人生を左右する」――。部屋探しをするにあたり、目の前のお客さまがどんな人なのか、どんな人生を送りたいかを知る必要があります。しかし、プライベートに関することをいきなり聞くのは野暮です。お客さまが自ら話してくれる質問の仕方があるのです。

※本稿は、鈴木誠『正直営業のすすめ』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。

お客さまの様子を観察しながら、話題を選ぶ

 私は「住む家は、その人の人生を左右する」と考えています。これから一緒にお客さまと部屋探しをするにあたっては、まず目の前のお客さまがどんな人なのかということに興味を持つことが欠かせません。

 未来を幸せにする部屋探しにおいて大切なのは、どんな人生を送りたいかです。それを知るには、そのお客さまが今、どんな暮らしをしていて、何を大切にしているのか、そして将来の夢はどんなことなのかを教えてもらう必要があります。

 とはいっても初対面の私に、いきなり将来の夢や人生で大切にしていることを話そうとはなかなか思えないでしょう。

 そこで希望する家の条件を詳しく聞きながら、お客さまの考え方や生活ぶりなどを一緒に伺っていくようにします。プライベートな領域に踏み込むことにもなるので、「この話題はあまり話したくないのかもしれない」など、お客さまの様子を細かく観察しながら話を振るようにすることが大切です。

 言葉選びも重要です。最近、意識的に使わないようにしているのが、「ご両親」というフレーズです。シングルマザー、シングルファザーのお宅もいらっしゃいますので、親が揃っている前提の言い方である「両親」という言葉に引っかかる方もいるでしょう。その代わりに「親御さん」と言い換えることで、どんな人でも気持ちよく会話ができるようにしています。

 また、先にこちらが自分のプライベートな話をすると、相手もそれに乗ってきやすくなります。私は筋トレが趣味なので「体を動かすことが好きです」と話すと、お客さまも「実はジョギングを毎日やっています」といった話をしてくれたりするのです。

 一見、部屋探しとは関係がないように見えますが、「それでしたら近くにジョギングできるような公園があるといいですね」など、部屋探しのヒントになることも多いのです。