営業先に初めて訪問する際、お客さまの警戒心を解き、「その気」にさせるためには、何より会話の「つかみ」が大事。営業コンサルタント・浅川智仁氏の新著『仕事ができる人は、3分話せばわかる』からの抜粋で、営業トークにおける「つかみ」の極意についてレクチャーする。
訪問時にいろんなことに気づき、
それを「つかみ」に使えるか
相手の心を3分でつかむ人は、やはり、観察眼が鋭いと思います。
毎朝、オフィスでコーヒーを飲んでから仕事に入る同僚が、いつもと違うカフェのコーヒーを飲んでいたら、それだけで、「あれ? いつもと違う道で通勤してきたのかな?」と気がつける人。
そういう人は、お客さまのところへ訪問したときにも、いろいろなことに気がついて、それを「つかみ」に使うことができます。
初めて訪問するオフィスなら、壁にかけてある社訓とか社是や、額に入った先代の言葉、社長室の本棚に並べられている本、ロビーに飾られている絵や彫刻だって、「つかみ」のネタになります。「なんで、この会社のロゴはこの色なんだろう」というような細かなところにまで注意がゆき届くかどうかに、差が表われます。
たとえば、社訓や社是が四字熟語の会社の経営者の多くは歴史好きで、松下幸之助さんや稲盛和夫さんを尊敬していることが多い。なので私はそのあたりから攻めます。