拮抗する支持率、大統領選の行方は?
池上 カマラ・ハリス米副大統領が次期米大統領選挙の民主党候補として、正式に指名を受けました。副大統領候補には事前の予測とは違い、ミネソタ州のティム・ワルツ知事が指名され話題になっています。
増田 これでようやく、大統領選の役者がそろったことになります。トランプ前大統領が銃撃されて一気に同情票が流れるのではとの予想もありましたが、ハリス氏、トランプ氏の支持率は拮抗。大統領選の行方はこれで全く分からなくなりました。
池上 トランプ氏は支持層が固定的ですが、ハリス氏には伸びしろがあります。年齢を理由に「民主党を支持したいが、バイデン現大統領には投票したくない」と考えていた人たちは、20歳は若いハリス氏が登場したことで、支持しやすくなったのでしょう。
増田 さらに、バイデン氏とは違って、ハリス氏は演説も上手です。バイデン氏から後継指名を受けた直後、初めて行われたウィスコンシン州ミルウォーキーでの集会でも、非常にパワフルな様子で支持者から大歓声を受けていました。
池上 カリフォルニア州の司法長官経験があり、演説は舌鋒鋭い。
集会では、トランプ氏が不倫の口止め料支払い記録を改ざんしたという罪で刑事裁判となり、有罪評決を受けたことをもって「私は犯罪者の取り締まりが得意だ」と、「検事vs犯罪者」という構図で批判していました。ハリス氏は2017年に上院議員になり、20年の大統領選に早くも名乗りを上げ、このときはバイデン氏を正面から批判しています。そのハリス氏を副大統領にしたバイデン氏の器の大きさは評価されていたのですが。増田さんは早くからハリス氏に注目していましたよね。