ハリス氏指名確実で、米大統領選は世代交代「始まりの選挙」に変貌Photo:Pool/gettyimages

1964年生まれのハリス氏
当選すれば92年大統領選挙以来の世代交代

 米国の大統領選挙は、バイデン大統領の撤退表明で、いずれも高齢の前職と現職による、旧世代の政治家同士の代わり映えのしない選挙戦が、突如として世代交代の幕開けを告げる「始まりの選挙」へと変貌した。

 バイデン氏に後継者として推薦されたハリス副大統領は、民主党内の有力者や連邦議会議員の多数の支持を得て民主党の大統領候補へ指名されることが確実な情勢だ。

 選挙戦は共和党の候補者となったトランプ前大統領との一騎打ちになるが、トランプ氏暗殺未遂事件や現職大統領の撤退など、相次ぐ異例の事態による騒がしさで見落とされがちなのは、米国の世代交代の時計の針が、想定よりも早く動き始めたという事実だ。

 1964年生まれのハリス氏はベビーブーマー世代(1946~64年生まれ)の最後尾であり、トランプ氏が副大統領候補に指名したバンス上院議員は84年生まれのミレニアル世代だ。

 米国で大統領の世代が若返るとすれば、92年にベビーブーマー世代のクリントン元大統領が当選して以来となる。次の世代へと主役が交代する米国政治の下、米国民はどのような国の在り方を選ぶのか。

 世論調査では、トランプ氏とハリス氏の支持率は拮抗(きっこう)しており、どのような決着になるかは予断を許さないが、次世代の米国の在り方を問う模索の「始まりの選挙」となる。