中国には強気な市場が一つある。だが政府はそれが気に入らないようだ。中国の株式市場や住宅市場が低迷する中で、ある資産が際立っている。それは国債だ。10年債の利回りは1年前の2.6%前後から2.15%近辺(訳注:22日時点)まで低下(価格は上昇)している。大抵の国――特に中国のように警戒すべき景気減速に見舞われた場合――では、この状況は歓迎されるだろう。だが中国当局は、国債の価格急騰を食い止めようと並々ならぬ努力をしてきた。それが奏功し始めている。国有銀行が大量の国債売りに転じたとの見方を背景に、中国国債利回りはここ1週間ほどで実際に上昇している(訳注:20日時点)。また強気相場を抑える一環として、中国人民銀行(中央銀行)は先月、「数千億元」の国債を借り入れる契約をブローカーと結んだと発表(1000億元は約2兆円)。規制当局も債券市場で活発な動きを見せる銀行に対する監視を強化している。