「みどりの窓口」混雑問題が深刻すぎる、60分待ちもザラ、大学生も購入できず「きっぷ離れ」の現実Photo:PIXTA

「みどりの窓口」が激減している。JR東日本が削減を発表した2021年から現在までに半数以上減った。コロナ禍が明けて、旅行需要が回復すると苦情が殺到。今年7月、JR東日本はお盆の繁忙期に計50駅で窓口を再開・増設すると発表した。だが、「みどりの窓口」混雑問題は深刻だ。

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みどりの窓口で70人65分待ち

 8月上旬の正午過ぎ、JR大宮駅の「みどりの窓口」内で、高齢の2人の女性が番号札の発券機の前で声を上げた。

「まあ、70人も待っているわよ。待ち時間は最大65分だって」

「もっと待つんじゃないかしら。また来ましょう」

 時間を空けて再訪すればすいていることを期待したのだろう。そう言って、2人は引き返した。座席で待つ人には若者の姿も少なくない。

「えぐすぎだろ」「軒並み閉鎖されたから…」

 みどりの窓口は、JRの乗車券、特急券、指定席券などを予約・販売する駅の有人窓口だ。利用客の要望に合わせてきっぷを発券するほか、旅行に応じて「おトクなきっぷ」などを提案してくれる。

 大宮駅のみどりの窓口では、今年2月1日から受付番号札での案内を開始し、待ち時間の目安を表示するようになった。JR東日本によると、昼から夕方にかけて、最大待ち時間は45分から60分にもなるという。繁忙期になると、待ち時間はさらに延びる。SNSには、同駅のみどりの窓口への嘆きの声があふれる。

「待ち人数が100人超え。待ち時間1時間45分……」

「朝9時30分ぐらいに行ったら待ち時間80分以上。えぐすぎだろ」

「近隣駅の窓口が軒並み閉鎖されたから混むのな。クソだ」という投稿もあった。

 経費削減のため、JR東日本が「みどりの窓口」を2025年までに約7割削減すると発表したのは2021年。当時440駅にあったみどりの窓口は、今年4月1日には半分以下にまで減っている。

 窓口の混雑が目立つようになると、苦情が寄せられるようになった。今年5月、同社はみどりの窓口の削減を一旦凍結。繁忙期には閉鎖した窓口を臨時で開いたり、増設したりするという。