企業型DC「選択型」に加入するとソンする人の特徴とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

企業型DCに「選択型」を導入する企業が増えている。従業員が給与の一部を企業型DCの掛け金として資産運用することができるため、投資を始めるハードルが下がるほか、税金と社会保険料の負担が軽減できるメリットなどがある。一方で、子どもを持つ予定がある人などは、こうした負担軽減の恩恵が受けられないケースも。メリット・デメリットについてマネーの専門家が解説するとともに試算を公開する。(社会保険労務士 井戸美枝)

あなたも加入できる?
「選択型」DCとは

 最近「選択型」の企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入する企業が増えています。確定拠出年金教育協会の2023年の調査によると、企業型DCを導入している会社のうち18.2%が「選択型」を採用しています()。

「選択型DC」は、従業員の給料を減額した上で、減額部分を事業主掛け金として企業型DCの個人別管理資産に組み入れる、または給与等への上乗せで受け取るかを従業員が選択できるようにする制度です。そのため、「給与切り出し型DC」とも言われています。

 たとえば、毎月の給与が30万円でDCの掛け金を月2万円とした場合、掛け金を選べば給与は28万円となり、2万円が企業型DCに拠出され運用します。

 注意したいのは、選択型DCにはメリット・デメリットがあり、家族構成などを加味した上で検討すべきだということ。詳しく見てみましょう。

(*)出典「企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査 2023年版(第19回)報告書」P30
https://home.dcnenkin.jp/cms/wp-content/uploads/2024/01/2023_summary_HP.pdf